会長ご挨拶

 RSOの創設は、21世紀を迎える直前の1999年に遡ります。当時、世界的な課題として地球規模の環境保全の必要性が叫ばれ、この解決策としてゼロエミッション社会・リサイクル社会の到来が希求されていました。しかし、人類未踏のフロンティアであるリサイクル技術の確立のためには、制度・体制等の整備を司る行政組織、新たな技術の開発・実践を担う大学・民間企業グループ、そして地域住民が参画した各種実践グループ等の広範かつ重層的な協働作業が必要不可欠です。こうした認識の基、港湾や空港インフラに関わるこれらのグループの知恵、着想力、実行力、エネルギーを結集する組織として、NPO法人「リサイクルソリューション」を立ち上げました。その後、同志を募り、約20年に亘って積極的な活動をしてまいりました。 

 今日、地球環境問題はまだ糸口が見えない状況にあり、加えて、東北震災と原発事故、狂暴化する災害、新コロナウイルスという新たな災禍、人口減少と高齢化社会の到来に伴う社会不安、等々問題は複雑化かつ広域化しています。その対応として国土の強靭化やSDG’s活動の必要性が世界的に認識され、会社レベル、地域レベル、そして国レベルで各種の活動が開始されようとしています。私たちの港湾・空港の社会でも、持続可能な発展を目指し、解決策を探るためには、従前の技術や制度に囚われることなく、新たな挑戦をしていく姿勢も必要です。 RSOでは、今までのリサイクル技術に基づく活動に加え、みなとまちづくりを新たな発想で展開する活動等各種の「Re Think運動」を実施することによって、港湾社会にあらたなうねりを起こしたいと思っています。そのために、新たな技術の発掘、先取りした発想、現場の実情に適応した技術力の発揮、そしてそれらをエンジニアリングできる人材の育成等を今後の方向性として捉え、会員の同志の皆様とともに積極的に活動していきたいと考えております。趣旨に賛同いただき、ご理解とご支援を頂きますよう、宜しくお願いいたします。

NPO法人リサイクルソリューション会長 山縣 宣彦